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京土会表紙絵ギャラリー

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平成6年卒 高橋 良和
「鴨緑江に架かる2つの橋」

 中国と北朝鮮の国境に位置する鴨緑江は,第二次世界大戦の敗戦までは日本の国境であり,多くの日本人技術者が活躍した.鴨緑江に架かるこの2つの橋が日本人により建設されたこと,また京都大学土木会の諸先輩も活躍された事実は,残念ながらほとんど忘れ去られている.この活躍を記録に留めるため,中国の丹東市を訪問した.右側の橋梁は,明治44年に竣工した鴨緑江鉄橋であり,明治35年卒業の山田亀治先輩が工事事務所所長として担当された.国際河川である鴨緑江の大型船舶の運航を可能とするため,中央部の径間が回転する可動橋であり,橋梁延長が当時世界最長であるとともに,橋脚基礎は日本で最初の圧気潜函工法で建設されるなど,当時最先端の土木技術が投入された.この橋梁の模型は土木工学教室に寄贈され,現在も保管・展示されている.左側の橋梁は,昭和17年に竣工した鴨緑江大橋である.戦時下の要請として爆撃を受けても落橋しにくいような構造が求められ,開発された吊弦式3径間連続複斜材型トラス橋梁である.この開発においては,大正2年卒業で土木工学第一講座(橋梁工学)を担任された高橋逸夫先生が関わられている.鴨緑江鉄橋は朝鮮戦争で一部落橋したが,鴨緑江大橋は落橋することなく,竣工後約80年が経過した現在でも国際橋梁の役割を果たしている.


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