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京土会表紙絵ギャラリー

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平成5年卒 市川 温
「木津川水門」

 西大阪地域は,淀川と大和川に挟まれた低平な地域であり,その中を堂島川,安治川,尻無川,木津川などの諸河川が縦横に流れています.その地形的条件から水災害を被りやすく,とくに,室戸台風(昭和9年),ジェーン台風(昭和25年),第二室戸台風(昭和36年)では,大きな高潮災害が発生しました.昭和40年代以降は,伊勢湾台風規模の超大型台風が大阪湾の満潮時に室戸台風の経路を通って来襲した場合に想定される高潮に対しても十分安全に対処できるように「大阪高潮対策恒久計画」が策定され,防潮堤,防潮水門,排水施設などの整備が進められています.安治川,尻無川,木津川については,昭和45年に,国内ではめずらしいアーチ型の大水門がそれぞれの河川に一基ずつ設置されています.昨年9月の台風21号では大阪湾で観測史上最高潮位を記録しましたが,各種対策施設が適切に機能を発揮し,高潮による被害を防いだとのことです.
 上記の三大水門は,設置以降11回稼働し,高潮被害の防止軽減に貢献してきましたが,建設されてから約50年が経過して老朽化が進んでいること,また津波を想定した設計になっていないため,津波発生時に閉鎖した場合,損傷して開閉が困難となる可能性があることなどから,改築が検討されています.大阪万博のころに竣工した現水門が,昭和,平成の時代を経て,その役目を終えるときが見え始めたいま,大きな災害外力に適切に備えることの難しさと大事さを改めて感じています.


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